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#介護保険料、なぜ介護保険法で合計所得金額によることが規定されたのか

〇 千葉県F市の市民からの質問:「なぜ介護保険料は合計所得金額で決まるのですか。それ以外の所得金額では決められないのですか。」
同市介護保険課の回答:「介護保険法で合計所得金額によることが規定されているため、市の判断で合計所得金額から変えることはできません。」


〇 F市の市民の疑問、それは私の疑問でもあるのですが、

なぜ、介護保険法で合計所得金額によることが規定されたのか

について調べる必要があります。

 

〇 介護保険制度は、2000年にスタートしました。
介護保険制度史」(東洋経済新報社刊)は、介護保険制度が、いかなる理念のもと、どのように構想され、創設されたのか、厚生省官僚等の当事者による「全記録」です。

 介護保険制度の基本構想から法施行までがリアルに描かれています。
 ただ、残念ながら、全700頁に及ぶ大著なのですが、「合計所得金額」に関する記述がありません。「合計所得金額」の単語も出てきません。


 つまり、「なぜ、介護保険法で合計所得金額によることが規定されたのか」の答えは、この本から直接得ることはできませんでした。


 しかし、厚生労働省のホームページに掲載されている介護保険制度に関する検討会の過去の資料と合わせ読むことで、その答えが得られました。

 1. 1994年、厚生省において、介護保険制度の検討がスタートするのですが、初期段階においては、当時、財政難に苦しんでいた国民健康保険との一体改革、すなわち「医療・介護同時改革」を目指していました。

 2. 当時の検討会の資料には、「介護保険料:課税対象所得は国保並み(総所得)」とあります。すなわち、当初の案では、介護保険料も国民健康保険料と同様に総所得金額等を課税対象所得としていました。

 3. 1995年、医療保険改革論議は進まず、「介護先行」の考え方が厚生省内部で優勢となり、介護保険は、国民健康保険とは切り離されて検討されることになりました。

 4. 当時の厚生省の関心事は、介護保険を新たに創設することにより、国民の経済負担が増すこと、また、介護保険を取り扱う市町村の事務負担の増加でした。

 5. 一方、当時から住民税非課税制度は存在しており、その判定基準は、合計所得金額でした。

 6. 2007年に開催された厚生労働省介護保険料の在り方等に関する検討会」のメンバーであった仙台市介護保険課長(当時)のメモによれば、
「(介護保険料の算定方式は、)いわゆる「国保のただし書き方式」を採用するのが適当と思われるが、保険者(市町村)として、保険料賦課の基礎となる総所得金額を初め、各種の所得や各損失の繰越控除、損益通算などの税情報が必要となる上、保険者が計算して保険料を決定することになり、市町村にとって大きな事務負担となる。」
 したがって、介護保険料は、「既存の住民税の課税状況をもとに保険料額を算定」、すなわち、住民税非課税判定基準の合計所得金額を使って計算する、というわけです。

 7. さらに、同メモによれば、
「本来であれば、介護保険料も国民健康保険と同じ所得金額を基準とすべきであるが、その所得を補足するための市町村の事務負担が重いことから別の方式となったが、保険料算定の仕組みが異なるというのは住民の理解が得られなくなる可能性がある」とする意見を記していました。
 当時から、検討会の一部委員には、介護保険料と国民健康保険料の計算を別方式とするのは問題であるとの認識があったのです。

 8. 介護保険スタート直後は、保険料も安く、また、課税世帯は2段階の区分しかなく、課税所得金額増加による影響も少なかったのですが、その後、介護保険の給付費用の増加とともに、保険料収入を増やすべく、課税世帯の区分は、当初の2段階から9段階(東京都S区の例)に増えました。

 9. この結果、確定申告によって介護保険料が上がるケースが増え、苦情が多発。2017年度の税制改正で、その苦情を和らげるべく「住民税申告不要制度」」がスタート。現在に至っています。

 以上、「なぜ、介護保険法で、介護保険料は合計所得金額によることが規定されたのか」についての答えは、「市町村の事務負担軽減が理由」だったということです。

 厚労省介護保険係に問い合わせをした際にも同じ回答でしたので、間違いないと思います。

 現在は、コンピュータの発達により、住民の税情報は一元管理され、そこから自動的に、住民税、国民健康保険料、介護保険料の計算が行われますので、事務負担の問題は解決されています。

 介護保険料の算定基礎を合計所得金額とした理由は、もはや存在しません。

 私は、確定申告の結果、介護保険料および自己負担割合が上がることになり、困っています。また、「住民税申告不要制度」の理解にも時間を要しました。
 住民の経済負担、事務負担を軽減すべく、介護保険料も国民健康保険料と同じく、総所得金額等で計算してもらえないでしょうか。

「保育園落ちた、日本死ね」のメッセージは、政治を動かしました。

 今は単なるつぶやきが政治を動かす時代です。トランプは、年中つぶやいています。私はトランプではありませんが、今後もつぶやいていこうと思います。

 シニア風ですが、「介護保険料上がった、負担割合もだ、シンゾーどうしてくれる」

いかがでしょうか。

 

#確定申告