願!コロナ退散

コロナ情報あれこれ

#介護保険料、計算方式は、なぜ「所得段階別定額保険料」と決まったのか

 介護保険創設時、介護保険料の計算式が、所得段階別定額保険料に決まったのは、下記の4つの要因の合わせ技によるものです。
 ① 市町村の事務負担軽減
 ② 当面の介護保険料水準は低い
 ③ 将来は介護費用増により、介護保険料の引き上げが必要となる
 ④ 低所得者の負担減

 

1.所得段階別定額保険料に決まった経緯は以下の通り。

〇 介護保険創設にあたり、厚生省において、介護保険制度の検討が行われた。その際、
  国民健康保険制度は1938年創設の制度であったが、市町村にとって事務負担(住民の所得捕捉)が重く、また、財政難に陥っており、介護保険を「第2の国保」にしてはならない、とする考えが介護保険制度設計の根底にあった。


〇 国民健康保険の保険料算定方式は、制度発足以来、定額(均等割)+所得比例(所得割)であったが、
・ 定額部分と所得比例部分の割合をどのように設定するか、
・ 課税基準となる「所得」をどのように定義し、また、実際に、どのように所得を補足するか
といった点が、常に国民健康保険運営上の大きな問題であった。

〇 市町村は、介護保険制度導入に伴って、所得捕捉等の新たな事務負担増大が生じることに強く反対しており、国民健康保険と同様の「定額+所得比例」方式を採用することは困難な状況にあった。

〇 一方、介護保険のスタート時の保険料水準は低く設定される予定であった。

〇 また、国民にとっては、介護保険導入=新たな負担増であり、その負担軽減策、とりわけ低所得の負担軽減が大きな課題であった。

 

〇 市町村の事務負担軽減および国民の保険料負担軽減の観点から出てきた案が「定額」方式である。

〇 一方、介護保険創設後、介護保険サービスが拡充し、高齢者人口が増加すれば、介護費用の増大は必至であり、介護保険料の引き上げは避けられないが、定額保険料方式ではそれに耐えられない、とする意見があった。
〇 将来の保険料引き上げに備えが、課税所得者に対する「所得段階式」の適用であった。実際にも、スタート時点では、課税所得者に対する段階は2段階であったが、その後の介護費用の増大とともに、その段階は増えていった。

 

〇 また、介護保険料の算定基礎となる所得は、市町村の、住民の所得捕捉の事務負担軽減のため、総所得金額等ではなく、合計所得金額とされた。
 合計所得金額は、住民税非課税判定基準として使われており、新たな事務負担は生じないと考えられた。

〇 また、上記に関連するが、低所得者=住民税非課税世帯と定義された。
 所得段階別定額保険料方式において、第1段階から第3段階までは、「世帯全員が住民税非課税」、第4段階から第5段階は、「本人が住民税非課税で世帯員が住民税課税」である。
 第6段階以降は、「本人が住民税課税」の場合であり、前年の合計所得金額により所得段階別に保険料が設定してある。

 

2.介護保険、その後

〇 介護保険創設時の介護保険料は月額加重平均で2911円と低かったが、その後、3年ごとの見直しのたびに段階が増設され、保険料は上がった。
 現在では、東京都K区の例では、第1段階こそ年額27000円であるが、最高の第16段階は年額256000円である。

〇 介護保険創設から7年が経過した2007年の厚生省「介護保険料の在り方等に関する検討会」において、委員の仙台市介護保険課長(当時)から、「介護保険は、医療保険ほど高額な給付ではないというものの、国保後期高齢者医療と介護の保険料率の仕組みが異なるというには、住民の理解が得られ難くなる可能性がある。」との意見が出されています。

〇 残念ながら、その意見は採用されませんでしたが、確定申告による介護保険料の上昇、特に自己負担割合の上昇は、介護サービス利用者に負担を負わせることになりました。
 多くの人は、介護保険料納入通知書や介護保険負担割合証を見て、初めてそのことを知り、泣き寝入りしてきたのではないかと思います。
「住民税申告不要制度」の導入により、介護保険料や自己負担割合の上昇は回避できることができます。ただし、住民税還付金はあきらめなければいけなせん。

 

3.介護保険制度改革

〇 20年前ならいざ知らず、コンピュータの発達により、住民の所得は一元管理され、住民の所得捕捉に関する市町村の事務負担は大幅に軽減されています。

 国民健康保険料および介護保険の算定基礎となる所得金額を統一する障害はもはやありません。
 現在、住民税、国民健康保険料は総所得金額等、介護保険料、住民税非課税判定は合計所得金額に分かれていますが、合理的根拠は失われています。

〇 年金制度改革に引き続き、介護保険改革に取り組むべきと思います。
 今や人生100年時代にしてマイナス金利の時代です。介護保険第1号被保険者も、いやおうなしに株式投資を行う時代なのです。


 介護保険創設から20年、時代認識を改めるべき時が来たのではないでしょうか。

 

#確定申告、#個人投資家、#住民税非課税世帯、#住民税申告不要制度