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#確定申告、介護保険料の算定基礎が合計所得金額(繰越控除前)となった経緯

〇 介護保険料の算定基礎を合計所得金額(繰越控除前)とすることは、介護保険法(2000年スタート)により決められています。

 その経緯について調べましたので、報告します。

 参考にしたのは、「介護保険制度史」(東洋経済新報社刊)および、厚生労働省のホームページに記載されている介護保険制度に関する検討会資料です。

 

〇 経緯

・ 1994年、厚生省において、介護保険制度の検討が始まったのですが、初期段階においては、当時、財政難に苦しんでいた国民健康保険との一体改革、すなわち「医療・介護同時改革」を目指していました。


・ 当時の検討会の資料には、「介護保険料:課税対象所得は国保並み(総所得)」とあります。すなわち、当初の案では、介護保険料も国民健康保険料と同様に総所得金額等(繰越控除後)を課税対象所得としていました。


・ 1995年、医療保険改革論議は進まず、「介護先行」の考え方が厚生省内部で優勢となり、介護保険は、国民健康保険とは切り離されて検討されることになりました。

 

・ 当時の厚生省の関心事は、介護保険を新たに創設することにより、国民の経済負担が増すこと、また、介護保険の実務を担うことになる市町村の事務負担の増加でした。


・ 一方、当時から住民税非課税制度は存在しており、その判定基準は、合計所得金額(繰越控除前)でした。


・ 2007年に開催された厚生労働省介護保険料の在り方等に関する検討会」のメンバーであった仙台市介護保険課長(当時)のメモによれば、

 

「(介護保険料の算定方式は、)いわゆる「国保のただし書き方式」を採用するのが適当と思われるが、保険者(市町村)として、保険料賦課の基礎となる総所得金額を初め、各種の所得や各損失の繰越控除、損益通算などの税情報が必要となる上、保険者が計算して保険料を決定することになり、市町村にとって大きな事務負担となる。」(中略)
 
 「本来であれば、介護保険料も国民健康保険と同じ所得金額を基準とすべきであるが、その所得を補足するための市町村の事務負担が重いことから別の方式となったが、保険料算定の仕組みが異なるというのは住民の理解が得られなくなる可能性があ


 〇 現在は、コンピュータの発達により、住民の税情報は一元管理され、そこから自動的に、住民税、国民健康保険料、介護保険料の計算が行われますので、事務負担の問題は解決されています。


 〇 介護保険料の算定基礎を合計所得金額(繰越控除前)とした理由は、もはや存在しません。 

 介護保険料も国民健康保険料と同じく、総所得金額等(繰越控除後)で計算すべきであると考えます。