〇 世界のコロナ対策は、検査によるコロナ感染者の早期発見、隔離、治療です。
発見の遅れは感染者の重症化につながり、また、感染拡大を招くことになるからです。
各国は、早期発見、特に、無症状の段階の感染者を発見すべく、検査体制の拡充を急いでいます。無症状の段階であっても、コロナは感染するからです。
〇 日本は、武漢発のコロナ感染を、水際作戦であるクラスター(感染集団)潰しで乗り切ったことから、その後の欧米発の感染も同様の作戦で対応しようとしています。
クラスター潰しは、感染の発生をまって、はじめて動き出す方式です。
また、PCR検査は、症状が相当に進んでからでないと受けさせてもらえません。ここでも後手にまわっています。
〇 日本政府の新型コロナウイルス感染症対策本部が策定した「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針針」を読んでみますと(全34ページ)、
「市中」の言葉は1回だけでてくるのですが ,
「限定的に日常生活の中での感染のリスクが生じてきているものの、広く市中で感染が拡大しているわけではない」
その一方で、
「感染経路が特定できていない感染者が61%(令和2年5月3日現在、5月1日までの状況)を占める状況となっている」ことを認めています。
〇 「日本のこれまでの対応を見ていると(中略)、起きたことに対する対応が主で、これから先に何が起きるのかを想定して、それにして対応するというプロアクティブな動きが必ずしもできていません」(岩波新書「パンデミックとたたかう」(2009年11月発行)
〇 今後、外出制限の緩和により、市中感染の拡大が想定されます。
それに備えて、感染者の早期発見のための検査体制の拡充が必要です。