〇 致死率は4月13日の1.4%を底として、その後、上昇し、6月7日現在、5.3%と約3倍になっています。
同じ時期、人口100万人当たりの死亡者数(累計)も、4月13日0.8人が、6月7日には、7.2人と急増しています。
死亡者数(累計)は、時間の経過とともに上昇すること自体は自然なのですが、増え方が急増している点が問題です。
〇 人口100万人当たりの死亡者数をドイツと比較してみますと、ドイツが落ち着きを見せる一方、日本では死亡者数が急増していることがわかります。
4月13日 6月7日 増加率
日 本 0.8人 7.2人 9.0倍
ドイツ 38.1 104.7 2.7
〇 日本の検査件数・陽性率・致死率・死亡者数の推移は以下の通りです。
100万人当たり 100万人当たり
検査件数 陽性率 致死率 死亡者数
4月13日 622件 9.2% 1.4% 0.8人
4月30日 1309 8.5 2.9 3.3
5月15日 1826 7.0 4.4 5.6
5月31日 2296 5.8 5.3 7.0
6月 7日 2487 5.5 5.3 7.2
(注)陽性率=陽性者数÷検査件数、致死率=死亡者数÷陽性者数
死亡件数=検査件数×陽性率×致死率
〇 4月13日と6月7日を比較しますと、
検査件数は4倍なのに、死亡者数は9倍になっています。
陽性率は低下傾向にあるのに、致死率は上昇傾向にあります。
〇 陽性率の低下は、以前はPCR検査の対象を厳選していたのに対し、最近は、PCR検査センターの設置により、かかりつけ医が希望すればできるようになったこと、また、疫学調査では無症状の人まで検査範囲を広げているなどによるものです。
一方、致死率の上昇は、致死率の高い高齢者の死亡割合が増加したためと思われます。
すなわち、高齢者施設や病院における集団感染で、多くの高齢者が死亡したことを反映していると思われます。
〇 致死率の上昇は、院内感染・高齢者施設感染対策が、喫緊の課題であることを示していると思います。
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