〇 政府は、日本でコロナ感染が始まって以来、コロナ対策の目的を感染拡大の防止としてきましたが、
経済社会活動の再開後、感染は再拡大し、新規感染件数は、過去最大件数を上回る日々が続いています。
GoToトラベルキャンペーンは、感染拡大防止とは相いれないことが明らかになっているにもかかわらず、重症者が少ないことを理由に政府に中止する気配はありません。
〇 一方、帰省シーズンを前に、突然、政府・自治体による「高齢者への感染防止」キャンペーンが始まりました。
その動機は、重症化リスクの高い高齢者の感染が増加すれば、医療崩壊が起きかねないことを心配してのものであることは承知していますが、
私は、感染防止対策の目的を見直すいい機会なのではないかと思います。
〇 すなわち、コロナ対策の本来の目的は、感染拡大防止ではなく、「国民の命を守る」ことです。
ところで、コロナの特徴なのですが、コロナ感染死するのは、高齢者および基礎疾患を持つ人(以下、「高齢者等」と略す)が大半です。
すなわち、国民の命を守るとは、高齢者等の命を守ることであり、その対策とは、高齢者等が感染しないようにすることです。
〇 高齢者等の主たる感染経路は、家庭内感染、病院・高齢者施設における集団感染です。
第1波では、東京都の場合ですが、コロナ感染死者の5割以上は、病院や高齢者施設における集団感染で死亡したことが明らかになっています。
#コロナ、東京都、感染死325人の5割以上が病院・高齢者施設集団感染 - コロナ時代の株式投資
従って、政府・自治体が、院内感染および高齢者施設内感染対策に注力するのは、当然ですが、国民個人としても、家庭内感染により高齢者等にコロナをうつさないよう、家庭内にコロナを持ち込まないよう注意すべきなのです。
〇 8月8日付日経記事「お盆休み、目立つ帰省自粛 自治体も対応割れる」によれば、
『(前略)大分県に帰ることを断念した都内に住む公務員の女性(28)は「1年ぶりで楽しみにしていたが、仕方ない」と話す。
地元の友人との再会も計画していたが、実家は高齢の祖父が同居し、母親の仕事は介護関連。「万が一のことがあってはいけない」と見送りを決めた。』
〇 政府・自治体は、お盆シーズン後も、コロナ対策の目的を、国民の命を守ることとし、重症化・死亡リスクの高い高齢者等への感染防止対策を強化すべきです。
#お盆、#帰省、#家庭内感染