〇 東京都は、感染者拡大に歯止めをかけるべく、都内全域の、酒を提供する飲食店に対し、8月3日から31日までの期間、営業時間の短縮を要請することを、7月30日に発表しました。
〇 下記の表は、東京都が毎日発表している年齢階級別新規感染者数をもとに、7日間移動平均の感染者数の推移を分析したものです。
7月30日は時短の発表日、8月3日は時短開始日、8月14日は現時点です。増減率は、時短開始日と現在との比較です。
〇 全体的には、時短発表日から時短開始日までは増加傾向は続くのですが、その後、低下傾向に転じています。
〇 ところで、8月13日に開催された東京都のモニタリング会議において、8 月4日から 8 月10日までの感染経路の分析が行われていますが、それと照らし合わせてみます。
20 代及び 30 代は、会食による感染が 20.4%と最も多く、次いで職場での感染が 20.0%であった。
40 代及び 50 代は家庭内感染が 33.7%と最も多く、次いで職場での感染 が 18.0%であった。
60 代は家庭内感染が 56.8%と最も多く、次いで会食での感染が 18.2%であった。
70 代以上は家庭内感染 が 43.3%と最も多く、次いで施設での感染が 35.0%であった。
また、7 月1日からこれまでの累計では、80 代以上の約 2/3 が施設内で感染している。
〇 年代別にみると、会食による感染の多い20代の減少傾向が顕著であり、現在は、時短開始日に対し3割減の水準にあります。
年齢が上がるにつれ、家庭内感染の割合が増え、会食での感染の割合が減りますので、飲食店時短効果は薄れ、50代では、時短開始日と変わりません。
60代は、その前後の世代とは異なり、会食での感染が18%と多く、時短効果が出ています。
70代以上は、家庭内感染・高齢者施設内感染が大半であり、時短の影響はなく、70代は時短開始日に比べ1.5倍、80代も1.3倍と増加しています。
〇 20-30代の世代については、飲食店に対する時短要請の効果があったようですが、家庭内感染や高齢者施設内感染の割合の多い高齢者に対しては別の対策が必要なことを示唆しています。
また、10代および10歳未満が7月30日以降、増加基調が続いているのは、家庭内感染の影響によるものと思われます。
年齢階級別新規感染者数推移(資料:東京都)
日付 |
7月30日 |
8月3日 |
8月14日 |
増減率 (対8月3日)
|
10歳未満 |
2.7人 |
3.9人 |
5.9人 |
1.5倍 |
10代 |
7.0 |
9.0 |
10.3 |
1.1 |
20代 |
102.7 |
146.3 |
101.0 |
0.7 |
30代 |
63.3 |
81.3 |
66.4 |
0.8 |
40代 |
36.0 |
42.6 |
39.3 |
0.9 |
50代 |
24.0 |
27.1 |
27.1 |
1.0 |
60代 |
9.3 |
14.4 |
11.6 |
0.8 |
70代 |
8.0 |
7.7 |
11.6 |
1.5 |
80代 |
3.9 |
4.3 |
5.6 |
1.3 |
90代 |
1.4 |
1.6 |
1.4 |
0.9 |
100歳以上 |
0.0 |
0.1 |
0.1 |
1.0 |
合計 |
258.3 |
338.3 |
280.3 |
0.8 |
(参考)
#コロナ、東京都、高齢者の感染経路は、家庭内感染と高齢者施設内感染 - コロナ時代の株式投資
#東京都、#時短要請、#新規感染者数