〇 8月28日、安倍首相は、体調の悪化により辞意を表明した記者会見の席上、これまでの感染拡大防止を目標としたコロナ対策を変更し、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を持つ人への感染防止に重点を置く方針へ変更することを表明しました。
小池都知事風にいえば、「防ごう重症化 守ろう高齢者」とする方針への転換です。
〇 これは、市中に感染が拡大したことを認め、高齢者を中心に重症者・死亡者の増大が現実のものとなったことに対応するものです。
8月20日~26日の1週間で、全国の死亡者は76人(年換算4000人)であり、その76%は80歳以上の高齢者でした。(注1)
大阪府では、8月単月で44人(8月24日時点)の死亡者がでました。これは、第1波の月間死亡者数を上回っています。(注2)
〇 また、大阪府に顕著に表れているのですが、第1波が院内感染中心であったのに対し、第2波では高齢者施設内感染が多発しています。(注3)
これは、市中感染の拡大により、介護職員や利用者に感染が拡大し、それを施設に持ち込むためです。
〇 高齢者が死亡者の大半を占める点では、第1波も第2波も変わりませんが、
感染経路の中心は、院内感染から高齢者施設内感染・家庭内感染へと移りました。
病院は曲りなりにも感染症対策ができており、新規入院患者に対するPCR検査を徹底すれば、第1波のような院内感染の多発は起こさないでしょう。
ところが、高齢者施設については、新規入所者に対するPCR検査は、これから始まろうとしている状況であり、まして、デイサービスなどは、利用者と介護職員が、毎日、家庭と施設を往復しますので、施設へのコロナ持ち込みの可能性は高いと思われます。
〇 また、経済社会活動の再開とともに、家族による家庭内へのコロナ持ち込みは増えますので、高齢者は、家にいても感染する可能性が高まっています。
〇 高齢者は、外出制限を守ることで、自分で自分の身を守らねばなりません。
また、家族は、外からコロナを家庭に持ち込まないよう、高齢者にうつさないように気をつける必要があります。
〇 高齢者を守ろうとする政府の方針は、大変、ありがたいのですが、
高齢者にとっては、第1波よりも事態は深刻であるということです。
(注1)
#コロナ、80代以上高齢者の死亡者急増(全国、8月20-26日) - コロナ時代の株式投資
(注2)
#コロナ、大阪府、8月の月間死亡者数が、過去最大となる - コロナ時代の株式投資
(注3)
#コロナ、大阪府、高齢者施設・病院の集団感染が続発しています - コロナ時代の株式投資