〇 東京都のモニタリング項目の中には、重症者数はありますが、死亡者数はありません。
モニタリング会議には、専門家も出席するのですが、死亡者数の増加を無視していいものかと思っていましたが、
9月10日開催の東京都の同会議において、死亡者数に関する専門家のコメントを発見しました。
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/659/10kai/3.pdf
〇 重症者数に関するコメントとしてなのですが、
「(前略)今週報告された死亡者数は 9 人であり、そのうち 80 代以上の死亡者が 6 人であった。前々週、前週の 11 人とほぼ同数の 死亡者数であり、引き続き注視する必要がある。
重症患者数は 50 代以上が多数を占めており、重症患者数と死亡者数の増加を防ぐためには、引き続き家族間、職場および医療・介護施設内における感染防止対策の徹底が必要である。」というものです。
〇 ところで、重症者とは、人工呼吸器(エクモを含む)による治療者ですが、死亡者は必ずしも「重症者」から出るのではありません。80代以上の超高齢者は、人工呼吸器(エクモを含む)の治療を経ることなく、死亡に至るケースが多いのが現実です。
#コロナ、大阪府、死亡者分析。超高齢者の場合、看取りになることも多い。 - コロナ時代の株式投資
すなわち、今週の例で言えば、50代が重症者の約半分を占め、一方、死亡者の半分以上は80代以上なのです。
重症者 死亡者
40代 2人 0人
50代 11 0
60代 4 0
70代 4 3
80代 3 4
90代以上 0 2
合計 24 9
重症者は50代が中心であり、死亡者は80代以上が中心です。
「80 代以上では、施設での感染が 74.2%と最も多く、次いで同居する人からの感染が 12.9%であった。」とのことですので、50代とは、明らかに感染経路が違います。
〇 「医療・介護施設内における感染防止対策の徹底」したとしても、死亡者は減少しますが、「重症者」は、死亡者ほどには減りません。
死亡者数は、重症者数の延長線上にはありません。
〇 死亡者数は重症者数とは独立した項目です。東京都は、モニタリング項目に追加すべきだと思います。
(参考)
#コロナ、東京都、モニタリング項目に死亡者数がない理由 - コロナ時代の株式投資