〇 4月7日、安倍首相は、緊急事態宣言を「発出」しましたが、初めて聞く意味不明の言葉で、これまで違和感が残っていましたが、本日、それが解決しました。
〇 9月30日日経夕刊「縁 よすが(あすへの話題)」によれば、
「4月7日に安倍首相が読み上げた文書の言葉が、「緊急事態宣言を発令いたします」ではなく、「緊急事態宣言を発出いたします」だったことについて、前回の続きです。
広辞苑で「発令」は、「法令・辞令などを発布・公表すること」。「発出」は、「あらわれること。あらわすこと。おこすこと」。
「発令」だと「しなさい」という強制力をもつ印象を与えるのに対し、「発出」は「ということなのです」と、ただ言った感じ、だろうか。
この発表を受けた新聞記事を読むと、「緊急事態宣言が発令された」と書いてあるものが、いくつかある。政府発表では「発出」と柔らかく表現したものを、「発令」という命令的な言葉に置き換えているが、これ自体はあながち間違ったこととはいえない。ただし、政府の表したかったニュアンスをそのまま伝えているともいえない。
前回話題にした「校閲者」たちは、おそらく「発令」部分をチェックするだろう。けれど、ここが面白いところだと思うのだが、校閲者はあくまでチェックをするだけ、そのチェックに強制力はないのだ。著者が「いや、この表現をしたいのだ」と粘り通したら、その通りになる。
「発令」と新聞記事に書いた記者たちは、「政府は発出と言っているが、これは発令的発言」と判断したのだろうし、「発出」と書いた記者は、「強制的な意味合いではない」ということを打ち出したかったに違いない。
たったの一単語の違いが、印象を大きく変える。使った者の姿勢をあらわに示す。けれど、人と人とのつながりかたの模索は、ここから始まるのではないか。言葉こそが、異なるどうしの縁(よすが)となってくれるのである。」
〇 発令といえばいいものを発出と表現する意図は何か。各自治体の首長も、発令ではなく、発出という表現を使っています。
要は、国は自治体へ、自治体は住民へ丸投げということでしょう。
国の運命を左右しかねない緊急事態宣言は、責任を伴う発令でお願いしたいと思います。
(参考)
#コロナ、国民丸投げ式の日本モデル - コロナ時代の株式投資
#緊急事態宣言発出 #日本モデル