〇 今週も、新規感染者数の増加は止まりません。
11月28日にスタートした酒を提供する飲食店などに対する時短要請効果について中間評価を行いたいと思います。なお、数値はすべて、7日間移動平均です。
〇 全体の新規感染者数は約15%増加しています。
重症化リスクの高い65歳以上の高齢者の感染者数は23%増加。
特に、目立つのは80代以上の高齢者で、約68増加しています。高齢者施設・病院における集団感染多発の影響と思われます。
〇 時短要請の目的は、逼迫する医療提供体制を守ることのはずですが、入院患者は20%増、重症者も9%増となっています。
入院患者・重症者の中心である高齢者は、家庭や高齢者施設・病院で感染しており、飲食店での感染は、若年者に比べ少ないのです。
〇 時短要請を行っても、入院患者・重症者は減りません。
飲食店の経済的負担を考えれば、費用対効果は低い、といわざるをえません。
〇 高齢者の感染経路を考えれば、都としてやるべきは、高齢者施設・医療機関に対する一斉検査です。
無自覚・無症状の感染者の早期発見につながり、高齢者施設・医療機関集団感染による感染者を減らす効果が期待できます。
〇 時短効果 年齢階級別新規感染率(7日間移動平均)
時短開始 |
現在 |
||
日付 |
11/28 |
12/11 |
増減率 |
10歳未満 |
9.7 |
9.9 |
1.5 |
10代 |
25.3 |
24.6 |
-2.8 |
20代 |
105.4 |
114.1 |
8.3 |
30代 |
76.1 |
94.3 |
23.8 |
40代 |
59.4 |
78.3 |
31.7 |
50代 |
60.0 |
62.7 |
4.5 |
60代 |
34.6 |
34.0 |
-1.7 |
70代 |
25.7 |
26.9 |
4.4 |
80代以上 |
18.6 |
31.1 |
67.7 |
合計 |
414.9 |
475.9 |
14.7 |
65歳以上 |
59.3 |
73.0 |
23.1 |
重症者数 |
53.4 |
58.4 |
9.4 |
入院患者数 |
1,532.7 |
1,838.7 |
20.0 |
東京都の資料をもとに筆者が作成
なお、東京都の時短要請は、11月28日に開始、12月17日に終了予定です。
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