〇 2月7日付FNNプライムオンライン記事「苦悩の1カ月」病院でクラスター発生 1288回のPCR検査…医療崩壊寸前に【鹿児島発】によれば、
「(前略)
今回は、鹿児島・姶良市の病院で起きたクラスターから見えた教訓などを伝える。
姶良市にある加治木記念病院の上津原甲一院長。 ”これまで体験したことのない、1カ月”…それは
2020年12月15日、職員1人の感染が判明したことから始まった。
病院ではこの日から外来を休診し、
翌日には全ての職員と入院患者の合わせて316人がPCR検査を受けた。この時は全員、陰性だった。しかし
2日後、別の職員が体調不良を訴え、再度検査をしたところ、「陽性」が判明。病院内はパニックに陥った。
加治木記念病院・上津原甲一院長: PCR検査でマイナス(陰性)でも(新型コロナウイルスを)持っている人がいた。
3回マイナスでも、4回目に出た(陽性になった)人もいた。1回マイナスだったからと安心はできない。
それが一番やっかいなところ 結局、病院では累計で1,288回ものPCR検査を繰り返し、最終的には1月4日にかけて、職員7人と患者6人の合わせて13人の感染が確認された。
最初に感染が発覚した職員が働いていた認知症病棟。 職員は県外からきた人との接触もあった。実は、全ての感染者がこの認知症病棟から出ていた。 病院では入館制限や消毒、パーティションを設置するなど、できる対策はとっていたという。
しかし、一度 病院内にウイルスが持ち込まれると、感染は広がり、職員自体が接触者になって、看護にあたる人員が不足。 その中での患者のケアと、医療体制は崩壊寸前だった。(中略)
幸い、感染した人たちは全員、別の病院に移って治療を受け、快方に向かっている。 加治木記念病院では最後の患者が発症してから4週間が経過した1月末、クラスターが収束と判断。 これを受けて休診していた外来も2月1日から再開していて、病院では「今回の経験を生かしながら引き続き、地域医療を支えていきたい」と話している。 (後略)」
〇 得られる教訓は以下の通り。
感染者が1人判明した時点で、すでに院内に感染は拡大している。
PCR検査は、ある程度のウイルス量があれば、ほぼ正確に診断できるが、検体の取り方や場所、感染からの経過日数などによって検出できないことがあるので、1回マイナスだったからと安心してはいけない。
一度、病院内にコロナが持ち込まれると感染拡大は避けられないので、予防を目的とした定期的PCR検査により、無症状の感染者を発見し、隔離・治療することが必要である。
特に、医療提供体制が逼迫し、感染者をコロナ病院に転院させることもままならない状況であれば、予防を目的とした定期的PCR検査の重要性は、より大きくなる。
#院内感染 #定期的一斉PCR検査