〇 7月21日付毎日新聞記事「新型コロナワクチン 接種前と後に知っておきたいこと」によれば、
長野県の新型コロナワクチン接種アドバイザーで、佐久総合病院佐久医療センターの坂本昌彦・小児科医長(44)に聞いたところ、こどものワクチン接種に関して、
「(記者)
6月1日から、ファイザー社製ワクチンについて、12歳以上の小児への接種が可能になりました。保護者から「自分の子どもに打たせるべきかどうか悩んでいる」という声が上がっています。
(坂本昌彦・小児科医長の回答)
文部科学省の調査によると、小学生は家族内感染が79%と圧倒的に多く、中学生でも63%を占めます。
高校生になると、感染経路不明が34%で最も多くなり、家庭内感染が33%、学校内感染が25%、家庭・学校以外の活動・交流などが8%です。
高校生になると行動範囲が広がり、どこで感染するか分からない可能性が高まりますから、ワクチン接種をすることで感染から身を守るメリットが高くなる、という考え方もできるでしょう。とはいえ、小児科医の中でもいろいろ意見があります。
子どもの多くは感染しても無症状か軽症で重症化はまれです。
一方、予防接種による副反応は高齢者に比べて起きやすい傾向がみられます。
「子どもよりも、むしろ大人が積極的に打つべきだ」という意見もあります。
僕自身は、子どもへの接種には基本的に前向きですが、「まずは子どもに関わる周りの大人たちが積極的に接種することで子どもを守る」という考えに賛成です。
ただし、神経疾患や慢性呼吸器疾患などの基礎疾患がある子どもについては、接種をしておけば、コロナに感染しても重症化を防ぐことができます。コロナ感染によって、下痢や発熱、発疹などが起きる「小児多系統炎症性症候群」を発症するケースもありますから、子どもに接種するメリットも十分にあると思っています。(後略)」