〇 11月24日付日経新聞記事「欧州、行動規制で抗議拡大 ベルギーで暴徒化 コロナ感染急増、治療薬追いつかず」によれば、
「(前略)
EUの本部があるベルギーでは21日に数万人規模のデモが起きた。首都ブリュッセルでは一部が暴徒化してバリケードに放火した。
英BBCによるとオーストリアでも大規模なデモが起きたほか、オランダではデモ参加者が花火を投げつけ、警察官が負傷した。
デモが起きた国はいずれも、ここ数週間でコロナ感染者が急増している。22日から全国民に食品の買い出しや通院を除く外出を禁止したオーストリアの場合、足元の10万人あたりの新規感染者数は約150人と、英国の2倍以上だ。医療システムを守るには行動規制を敷かざるを得なくなっている。
今回の感染再拡大の理由は特定されていない。ベルギーではワクチンの接種を2回終えた人の割合が人口の約74%と比較的高いが、感染は広がる。
ブルームバーグ通信によると、ドイツのメルケル首相は22日、自国の感染拡大について「これまでで最悪だ」と発言。欧州が世界の感染拡大の中心になっている。
今のところデモは一部の動きにとどまっているが、ロックダウンは多数の失業をもたらし、人々の行動の自由を奪うもろ刃の剣だ。規制が長引けば政権批判にもつながりかねない。飲食店などの営業を止めることによる経済の下押し圧力も強く、政府にとっては苦渋の決断だ。(中略)
EUの欧州医薬品庁(EMA)は19日、米製薬大手メルクが開発した軽症者向け飲み薬「モルヌピラビル」の緊急使用を認める勧告を出した。正式な販売承認を待たずに、加盟国が使えるようにした。モルヌピラビルは自宅で服用でき、コロナ対策の切り札として期待されている。
こうした治療薬が普及すれば重症者や死者は抑えられる可能性があるが、冬の流行のペースに追いつかないのが実情だ。
各国は現時点で厳しい対策をとることで、欧米で重要な意味を持つクリスマス時期の行動規制を回避したい考えだ。」
人口10万人あたり新規感染者数 |
|||||
期間 |
11/1~7 |
11/8~14 |
11/15~21 |
前週比 |
感染率(累計) |
国名 |
人 |
人 |
人 |
倍 |
% |
ベルギー |
464 |
606 |
834 |
1.38 |
14.0 |
588 |
842 |
1,077 |
1.28 |
12.0 |
|
英国 |
363 |
385 |
425 |
1.10 |
14.7 |
ドイツ |
220 |
315 |
411 |
1.31 |
6.5 |
フランス |
78 |
108 |
196 |
1.81 |
11.6 |
米国 |
156 |
169 |
195 |
1.16 |
14.5 |
イタリア |
60 |
86 |
108 |
1.26 |
8.2 |
カナダ |
40 |
48 |
46 |
0.98 |
4.7 |
日本 |
1.1 |
1.0 |
0.8 |
0.79 |
1.4 |
ホプキンス大学の資料をもとに筆者が作成
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