〇 1月4日付読売新聞記事「オミクロン株「潜伏期間短く、感染が速く広がる恐れ」…重症化リスクは低い可能性も」によれば、
「感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」について、重症化リスクなどの解明が進んでいる。
東京大など国内の研究機関が参加する研究チーム「G2P―Japan」は、ハムスターに新型コロナを感染させた。
オミクロン株を感染させた場合、気管支や肺の奥でのウイルス量は、デルタ株に比べ2~4割にとどまった。
デルタ株に感染したハムスターの体重は5日間で約15%減ったが、オミクロン株の場合はほぼ変わらなかったという。
デルタ株は表面の突起にある「P681R」という変異が重症化リスクを高めるとみられるが、オミクロン株にこの変異はない。チームの田中伸哉・北海道大教授(病理学)は「オミクロン株はデルタ株より重症化しにくい可能性がある」と指摘する。
豪メルボルン大などの研究チームは、コンピューターでオミクロン株の突起の構造を解析。オミクロン株は、ウイルスを攻撃する「中和抗体」の働きを弱めるという報告があるが、免疫細胞の一種「T細胞」による免疫の働きは維持されているとの成果を発表した。
米疾病対策センター(CDC)の分析によると、感染から発症までの潜伏期間はオミクロン株で約3日間だった。デルタ株の約4日間よりも短く、感染が速く広がる恐れがある。
田中教授は「感染者が増えれば重症者も増え、病床が逼迫(ひっぱく)する恐れがある。対策を続ける重要性は変わらない」と話す。」