〇 2月11日付日経新聞記事「コロナ飲み薬、世界で争奪 ファイザー製、需給逼迫の恐れ 国内薬の承認期待」によれば、
「厚労省が特例承認したファイザーの飲み薬「パキロビッドパック(海外名パクスロビド)」は2021年12月以降、米国や欧州で実用化された。感染初期に投与して重症化を防ぐ飲み薬は、医療逼迫を抑制する切り札となる。
変異型「オミクロン型」の感染拡大を背景に、各国は飲み薬を大量入手しようとしている。
米政府はファイザーと2000万人分の調達契約を結び、22年6月までに1000万人分、9月までに残りを調達する。
英国政府も同社と275万人分の調達契約を結んだ。
日本も飲み薬の確保を急いでいる。政府はファイザーの飲み薬について200万人分を調達することで最終合意。
後藤茂之厚労相は10日、第1弾の4万人分に続き、2月下旬に追加分の供給を受けると明らかにした。量については「確定中だ」と述べるにとどめた。(中略)
ファイザーは22年末までに1億2000万人分を生産する計画だが、上期は3000万人分にとどまる。有効成分の原薬の合成に時間がかかるためだ。
アルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は1月、年後半にかけて供給量が増える見通しだとしたものの「1~3月は入手がより制約されるだろう」と述べた。
日本への供給スケジュールなど詳細についても、ファイザーも政府も明らかにしていない。
足元の患者数の増加に飲み薬の供給が間に合うかは不透明だ。
厚労省によると、感染力が強いオミクロン型の拡大で、国内の累計感染者数は約360万人と昨年末から倍増した。
直近では2月1日までの1週間で、重症化リスクが高い60歳以上の新規感染者が約6万人に上った。(中略)
安定調達のためにはさらに多くの治療薬が実用化される必要がある。
塩野義製薬が最終段階の治験を進める「S-217622(開発番号)」は約50人を対象にした治験データでウイルス量を減らすなどの効果が確認できた。さらに多くの人で有効性や安全性が実証できれば、月内にも厚労省に「条件付き早期承認制度」を活用して製造販売承認を申請する。
手代木功社長は7日の記者会見で、「2月末には40万~50万人分の製造を積み上げる」と話した。3月末までに100万人分を生産し、4月以降に年1000万人分以上の供給体制を整える。
政府は有効性が明らかになれば迅速に承認審査を進めるとしている。順調に審査が進めば供給安定につながる可能性もある。」
〇 当面、「パキロビッドパック」の供給量については、過大な期待はしない方が良さそうです。
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